19th November 2005

visit  Basie   (Ichinoseki  Iwate)
 

岩手県は一関市

オーディオ&JAZZファンに有名な喫茶店ベイシーを28年ぶりに訪れた。

28年前はオーディオ・ブームも真っ只中、若かりし日の自分は全然Jazzも音も解っていなかったが、記憶ではただならぬ音経験だったことは間違いない。

オーナーは最近J−WAVEのCMにも登場する菅原昭二さん。

1970年の開店からもう既に35年もの歳月が経っているが、その音には魂が宿っているというか、暗い店内も相まって眼前にミュージシャンの姿が容易に浮かぶ。

「容易に浮かぶ」と表現出来る程リアリティーの高い音である。

基本的にLPしかかけないが、それも当然の如く殆どが50年や60年代のJAZZである。

アナログディスク故でもあるが、マスターの選定したものは音の確かなディスクであることは間違いないところだろう。

しかし、カートリッジが SHURE V-15 type III と言うのがにわかには信じられない。

このリアルさは何なんだ?

スクラッチノイズはあまり無いが、アナログディスク故の埃等によるノイズ(パチパチ・ゴロゴロ)は決して少なくない。が、あまり気にならないのである。それほど出てくる音(音楽)そのものに集中させる力があるのだ。

再生レベルの音圧は相当なものである。SPの能率が高いのはもちろんだが、パワーにも相当の余裕が感じられるし、ちょっとやそっとの音圧にも破綻しないシステム全体のリニアリティーを感じた。

使用スピーカー・ユニットからして決してワイドレンジではないが、低域は2220からとは思えない重低音が再生される。

この低音は28年前に聴いた音と基本的に変わっていないようだが、昔はもっと重くてダンピングの低い音と記憶していた。

中高音は文句の付けようが無く、この音にはオーナーの長年の努力と類まれなバランス感覚を感じる。

アンプもJBLらしいが、アナログディスク再生を聴いた限りでは、半導体アンプを意識することは殆どない。

間違いなくレベルの高い音である。日本一音の良いJAZZ喫茶と言われる如く誰もが頷くに違いない。

但し、一つだけ物足りなく感じたものがある。それはウッドベースの音質である。 

2220らしくない重低音と言ったのはこのことで、100〜500Hzあたりの帯域が抑えられ、40〜50Hzが強調されているように感じた。

ドラムやピアノは圧倒される程に素晴らしい表現力で再生されるが、ウッドベースに関してもう少し質感が欲しいと思ったのは私だけだろうか?

 


マグカップにはBasieオリジナルロゴ

室内の照明は暗いがJAZZに没頭するにはちょうど良い

かかっていたのは「セロニアス・モンク」、演奏中はLPジャケットを壁にディスプレイしてくれる

スピーカーは近寄って見ても暗くて良くわからないが、2220 x 2、375+HL95、075  というラインアップ

Photographs & Copyright©  S,Suzuki

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