18th December 2005

visit  CONCORDE   (Tateyama  Chiba)
 

千葉県は館山市

オーディオ&真空管アンプファンに有名なレストラン・コンコルドを訪ねた。

10年以上前から一度は足を運ばねばと思っていた館山を漸く訪ねることが出来、楽しい一時を過ごすことが出来たことは大きな収穫であった。

 

佐久間さんは大変気さくな方で、アンプや音楽について色々と語ってくれた。

MJ誌や氏の著書等で過去に何度も紹介されているので私から説明するようなことは何もないが、直熱管と共に歩んだ歳月がこのレストランには刻まれている。

 

佐久間さんの基本コンセプトはとにかく『好きな音楽を好きな音で楽しく聴きたい』というのが根元にある。

佐久間アンプの回路や記事を読んだことのある人なら判ると思うが、決して現代的なHiFiでは無い。

レコード再生という音楽のもつ可能性や力を求めた結果なのだと思うが、半端なHiFiにありがちな高域のキツさを避け、音楽的な表現を求めるうちにたどり着いたのが直熱管とトランス結合なのであろう。

事実、どのアンプ、どのスピーカーで鳴らしても耳障りな音は一切しない。

HiFiでは”個性”は嫌われるものだが、此処には個性を生かすハーモニーがある。

 

偶に佐久間アンプを否定する意見を目にすることがあるが、それは価値観の違いである。

世の中HiFiだけが音楽再生では無いと言うことだろう。つまり、物理特性だけで音楽を語るには不充分ということだ。

 

人の感性も様々だ、佐久間さんは自分の感性に正直に生きている人なのだ。

私自身は自分の手で佐久間アンプをコピーしようとは思わないが、沢山のファンを魅了したその音には否定出来ない良さがある。

これはいわば「再生の芸術」と言えないだろうか。

 

DCアンプの金田アンプとは全く以て対極のアプローチであるが、どちらも良い音楽を良い音で聴く為のアンプであることは間違いない。

トランス結合を重ねる手法で想像が付くようにナローレンジはよく知られたところ。
しかし、低音は充分な質感を伴って良く出ている。

”骨太なナローレンジ”とは正にこの音を指しているのだと納得したのであった。

 

もう何度も言い尽くされているが、モノラル再生でこれだけの表現力を持たせることは簡単ではない。

トリタン送信管が醸し出す雰囲気とその音楽的表現力、そしてもはや仙人様?にも見える佐久間さんの風貌と人柄がコンコルドの魅力である。

 

 

 

 

 

 

佐久間アンプについての詳しい情報はこちらを参照。


STC4212 右の845が小さく見えてしまう

近未来の、とある惑星?

EIMAC 304TL フィラメントもプレートも光り輝く強烈な球

他にも控えているトリタン直熱送信管アンプたち

店の入り口(外)で優しく迎えてくれる845?のディスプレイ

Photographs & Copyright©  S,Suzuki

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