■ Phase 測定(Type B)
デジタルストレージオシロスコープの測定機能を使って測定してみました。
測定ポイントは@入力(ch1)、A反転入力 (ch2)、B出力(ch3)の3点で、@を基準にしたAの位相とBの位相+@の周波数を表示させています。
オシロスコープのトリガポイントのふらつきで±2〜3°程度はばらつきます。先ずは10Hzです。
これは10KHzですが、位相遅れはまだ数度です。
100KHzになると入出力@Bの位相差は−80度くらいになります。
ボーデ線図を書くのが手間なので周波数特性と並べて見比べます。下のグラフが位相特性です
位相が約-90°になるポイントはカットオフ周波数付近の112KHz
位相が約-180°になるポイントは600KHzあたりでした。
クローズドゲインが1以下(-26.6dB)になるのは約650KHz付近ですので、もし位相補正無しのB出力(ch3)の位相のまま にNFBが掛かるとなれば発振します。
しかし、本機ではNFB抵抗にパラに接続したコンデンサによるリード補償により帰還電圧の位相が進み、ゲインが1以下になる650KHz付近での入力電圧@入力(ch1)と帰還電圧A反転入力(ch2)の位相差は約-100°であり、位相余裕は80°ある事になります。
ですから、8Ωの抵抗負荷で不安定になることはありません。
但し、極端な容量負荷では発振する場合がある事を確認していますが、実際のスピーカー負荷(Kailas 7改)でも抵抗負荷と殆ど同じ位相差で推移しているのを確認しているので、 通常のダイナミック型スピーカーでは問題無 しと判断しています。
世の全ての種類のスピーカー負荷に対して絶対に発振しないかと言うと、それを完全には否定することは出来ません が、よほど特殊なスピーカーでない限りは問題になることは無いでしょう。
Last update 2-Jul-2021