ortofon Kailas7  May 2013.

サブスピーカー を紹介します。

あのMCカートリッジで有名なデンマーク ortofon 社製のスピーカーです。

 


■ アンプの音質確認用

オールホーンのメインスピーカーはマルチアンプ駆動としてしまったので、製作したアンプの音質確認が出来なくなってしまいました。

アンプをチェックする度にいちいちネットワーク方式に戻すのもかなり面倒です。

故に音質確認に使える新たな高音質のスピーカーを導入するべくオークションを中心に捜し始めました。しかし、安価ではなかなか良いものが見つかりません。
そんな中 Pioneer のバーチカルツイン S-1000Twin を落札しましたが、2wayでバーチカルツインの ルックスは良いものの音質は全くの期待はずれでネットワークをどう弄っても好みの音質にはなりませんでしたのでついに諦めて別のものを捜すことにしました。

そんなときに偶々目に入ったのが ortofon Kailas 7 でした。

【SPEC】
●トゥイーター:25mmシルク・ダイヤフラム・ドーム・トゥイーター
●ミッドレンジ:100mmアクリル樹脂コーティング・ピュアパルプ・コーン・ミッドレンジ
●ウーファー:30cm×2、ピュアパルプ・コーン・ウーファー、T型、センターポール方式、磁束密度集中方式磁気回路
●許容入力:300W(Music)
●周波数特性:35Hz〜40kHz
●インピーダンス:6Ω
●出力音圧レベル:92dB
●クロスオーバー:700Hz/3.5kHz
●外形寸法:370W×970H×318Dmm(グリル付きの場合 370W×970H×330Dmm)
●質量:36kg

3wayでダブルウーハーの構成に低域だけは期待していましたが、もし中高域がダメなら別なユニットに付け替えるくらいの覚悟で落札したのですが、どっこい期待を大きく上回る高音質にびっくり!(@o@)!さすがにオルトフォンがアナログ回帰を世に問うただけのことはあります。

どノーマルのネットワークのままでもS-1000Twinなど全く比較の対象にならないほどにレベルが高く、あらゆるジャンルの音楽に応えられる音質でした。
新品時はS-1000Twin(\220,000-1989年発売)の方が倍の値段で発売年代も大きく違うにもかかわらずKailas 7(2008年発売)の方が遙かに高音質なので驚きのコストパフォーマンスと言えます。
(当然ながらS-1000Twinはオークションに出品となりました(^^;)

しかしながらノーマルのネットワークと書いた様に、12dB/oct 構成故にやはりその繋がりには弱冠の違和感があり、エンクロージャーのバスレフポート設定も共振点が高めで低域タップリの量感は良いのですがその質感(違和感)は気になります。拙宅に嫁いだ当初は中高音もまだエージング不足で多少きつめでしたが、半年後頃からしっとりと落ち着いてきました。以前のオーナーはその 真の実力を聴くことなく手放してしまったようです。

唯、ウーハーの配置が床に近い為に低域がブーミーになりがちで、後継機のMK-IIではウーハー位置を上げる為にエンクロージャーの高さ を70mm増やし、ユニットの位置を上げ、バスレフポートのチューニングも変更されて底面にはスパイクも付けられました。

しかし、残念ながらもう既に Kailas 7 MK-II, Kailas 5 共に生産終了となっています。

 

Kailas 7 MK-II   &   Kailas 5


■ 6dB/oct ネットワークへの変更

ノーマルのネットワークはやはり12dB/octで構成されており、クロスオーバー付近で生じる位相変化やディップ・ピークが個性音を生みだす原因です。
特にスコーカーの逆極性接続はインパルスレスポンスを考えれば致命的な欠点です。 

私的にスピーカー音質改善の常套手段になっていますが、6dB/oct へとネットワークの改造を施します。

これによりスコーカーの極性が正され各ユニットの極性が揃い、フルレンジと比べても違和感が無く再生音がよりナチュラルになりました。
回路上ウーハー用のインダクターが2個直列になっていますが、手持ちの都合でこうなっただけで実質1.9mH1個と等価です。

欠点は 12dB/oct から 6dB/oct へ変更すると耐入力が下がることや、ウ−ハーとトゥイータのクロスオーバーポイントが顕在化する等の欠点は避けられませんが、合成位相特性がフラットになるのはネットワークでもチャンデバでも 6dB/oct だけなのです。


■ バスレフポートのチューニング

30cmのダブルウーハーでバスレフとなればタップリ低音が出てその量感に不満は無いどころか出過ぎるくらいなのですが、Kailas 7 のポートの共振周波数は高めになっているようでノーマルのままではいわゆるバスレフ臭い低音の不自然さがあります。

ここはやはりポートのチューニングを変更して共振周波数をなるべく下げ、バスレフ臭さを解消する対策を施しました。

のポートは背面中央に位置し内径110mmで長さ195mmの円筒になっています。これに外径105mmで長さ300mmの塩ビパイプを差し込んで背面に200mm突き出る格好にしてポート長を倍の約400mmにしてあります。

塩ビパイプに貼り付けてあるのはポートと塩ビパイプの隙間に入れてスカスカにならないようにする為のフェルトです。
360°ぐるりと貼るつもりがフェルトの厚みが邪魔して入らず、円周方向は端折っています。

これにてポートの共振周波数が下がり、いわゆるバスレフ臭さが解消しました。


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Last update 10-May-2014