Non Over Sampling DAC の実験 Since May 2005. |
昨年からお遊びの中心だったTDA-1541A NOS-DAC
改造母体は NEC CD-816 で当然デジタル出力はあれどもデジタル入力は付いていませんので、DAIを追加しながらの改造です。
■ CD-816改 NOS-DAC
CD Player の音質改善 で3台目のCDPとして登場する CD-816 は私のお気に入りでした。
当時(1989)としては画期的な 4DAC を用いた Balanced Summing (差動)で動作させ、8fs のデジフィルの後で+側と−側のタイミングをずらして16fs相当の Transversal Filtering Circuit と言うのが売り文句で、上位機種の CD-10 と同じく TDA1541A-S1 を搭載したCDPでした。
このタイプは1個のDACでRとLを賄う為、差動は別々のChip同士になりますが、タイミングシフト出来るのがメリットです。
とは言え、NOSに改造してしまうのでデジフィルやシフト回路は取り去ってしまいますが、差動は維持したいところです。さて、DACにでっち上げる為には先ずデジタル・オーディオ・インターフェース(DAI)が必要ですので、CS8412を使ってDAI基板を作りました。
デジフィル無しの「ノン・オ−バー」でTDA1541Aに接続するにはCS8412/8414をI2Sモード動作で出力すれば良く、簡単にNOSが実現できます。
そして、差動、すなわち2個目のTDA1541Aのアナログ出力を極性反転させる為にはDATAをインバータ74F04で反転させるだけで出来てしまいます。下図の上側DACが正出力、下側DACが負の出力を出します。以下のブロック図はそれぞれのチップの接続を省略して、必要な信号経路のみを表しています。
下図の例ではI/V変換を抵抗にしていますが、もちろんオペアンプでも構いません。
※デバイスの動作に必要な正確な配線はそれぞれのデータシートを参照して下さい。
上の写真のように電源とDAC周辺以外は殆ど取り払ってある。中央上側に載っているのはCS8412のDAI基板。
■ I/V & Buffer
差動出力を受けるI/V変換はDEALの巻線抵抗と長年使ってきた真空管差動バッファーの再利用です。
もともとCD-816の為に作った差動バッファーなので、長年の浮気(DCD1650AL)から覚めた?かな?
※回路図は片チャンネルのみ表示CD Player の音質改善 に載っている最終回路はDCD-1650AL用2段差動でしたが、そこからさらに変更を加えてP-G帰還にしています。
最終的にアナログ出力が約1VrmsになるようにI/V抵抗を調整した結果が26Ωでした。滅多に使いませんが、念のために手動スイッチの De-Emphasis を設けてあります。
■ 雑感
音質はあまり書くと語弊があるので詳細は書きませんが、一言で云うとTDA1541Aらしいコントラストのある音です。
当初はこのNOS差動DACとElectrArtさんの8fs差動DAC基板を同じケースに入れて切り換えて使おうかと構想を練っていましたが、ElectrArtさんとのメールのやりとりの中で私が「こんな事出来たらいいな」と戯言を書いたら、な、なんと8fs差動DACのDAI基板CPLD内部でNOSと8fsの切り換えるカラクリを実現してくれました。m(_ _)m土下座
と言うことで、このCD816改NOSDACは無事役目を果たしたので次はちょっと変身の予定...。
Last update 02-July-2006