47 CSPP since Dec 2010 |
拙作 6L6 CSPP(+P)、 6C19P CSPP と同様に出力段CSPP(クロスシャントプッシュプル)のアンプです。
初の直熱管によるCSPPとなりますが、元祖駄球だけにどうなることやら...。
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■ コンセプト
マッキントッシュタイプCSPPはこれまで期待を裏切らない性能と素晴らしい音質を提供してくれるアンプとしてすっかり拙作のメインストリームとなっています。
これまで何度も書いていますが、その動作の特徴(50%のKNF等)によりビーム管または5極管のネイティブ動作でも比較的高いダンピングファクターが多量のループ負帰還に頼らずとも実現出来ることが大きなメリットになるし、プッシュプル合成はトランスに頼らないシングルエンドの並列合成なので、DEPPの欠点を持ちません。一方で高いドライブ電圧が必要になることがこの回路の大きな欠点でもありますが...(^^;
今回起用した UY−47 の先祖は 247 ですが、ご存じのように元祖5極管であり高効率を実現したと同時に 45 等の3極管に比べて5極管は音が悪いと言われた最初の球だったのです。
いわば歴史的元祖駄球!ラジオの終段には最適でもオーディオ用として高評価を得ることはありませんでした。故に市場の人気は低く、著名なビルダーによる製作例もあるにはありますが、概して低評価に終わっています。
古典管の類ですのでそれほど市場に出回っていませんが、45 や 2A3 等の直熱3極管達に比べればかなり安価に入手出来ます。45 や 2A3 等でCSPPを作って音が良かったとしても半ば当たり前、CSPPは3極管で組むよりも5極管のネイティブ動作でこそ、そのメリットを最大限に発揮出来るので5極管の元祖とも言える 47 でCSPPを実現しようと思ったのは私にとって極自然な成り行きです。
元祖駄球とは言え、古典的な直熱管ですのでその直裁的表現力には期待が出来ます。
5極管は3結にしてしまう手もありますが、せっかくの高効率で得られる出力が半分以下になってしまうので本末転倒です。
マッキントッシュタイプCSPPは5極管本来の実力を引き出してくれる素晴らしい回路ですので、元祖駄球汚名返上を期待して今回のアンプ製作となりました(^^;3極管 45 から1本ずつグリッドを増やして派生したと思われる 46 と 47 を比較してみましょう。
最大定格
45 46 47 Filament Voltage 2.5V 2.5V 2.5V Filament Current 1.5A 1.75A 1.75A Max Plate Voltage 275V 400V 250V Plate Dissipation 10W 10W - A1級Single動作例
Plate Voltage 275V 250V 250V Screen Voltage - - 250V Grid Voltage -56V -33V -15.3V Plate Current 36mA 22mA 31mA rp
1700 2380 60000 μ
3.5 5.6 (150) gm
2.05mS 2.35mS 2.5mS Load Resistance 4.6KΩ 6.4KΩ 7KΩ Power Output 2W 1.25W 2.7W これらの球はガラス管こそ 45 がST-14、 46 と 47 がST-16で一回り大きいですが、プレートの大きさはほぼ同じです。
それを裏付けるようにプレート損失は 45、46 共に10Wが許容されていて、何故か 47 にはプレート損失の表示がありませんが、同じと考えて良いでしょう。また、45 のフィラメント電流が1.5Aに対して 46、47 は1.75Aと一回り多くなっています。46 ではB級動作時の最大プレート電圧が400Vも許容されているのにA級動作では250Vがmaxとなっているので、信号電圧を含めた最大尖頭電圧が400V程度だと思えば説明がつきます。 とは言え、45 でのAB2級動作例でA級と同じ275Vになっているのはプレート損失をオーバーしない為の制限と思われます。
47 でのAB級の動作を考えるにあたって、A1級の7KΩ負荷線に見られる動作はプレート・ロスが7.5W程度の動作であり、これを基準に考えるとAB1級動作ならば動作点を350V・15mAあたりに設定しても問題無いようにも見えます。しかし、規格表にはプレートとスクリーンの最大定格が250Vとしか書かれていない為にこれ以上の電圧をかける事は躊躇してしまいます。
一つの懸念は 47 にはサプレッサ・グリッド(G3)があり、これがフィラメントの中点に接続されていて尚かつG2とプレートの間に位置している為に 46 程には高電圧を許容出来ない理由になっている可能性があります。故にAB級と言えども動作点のプレート電圧は 45 に倣って275V程度に抑えておくことにします。
各社の 47 データ・シートをみると何れもプッシュプルにも使えると書いてありながらA1シングルの動作例しか載っていないので、当時はラジオにしか使い道は無かったと思われます。
■ 回路について (Rev.0)
5極管によるマッキントッシュタイプCSPPですので2本の球のスクリーングリッドへの電圧はお互いのプレートから電流制限抵抗(270Ω)を介してクロスで供給します。互いのプレートとカソードが交流的に並列接続されていることにより、常にスクリーン電圧がカソードから一定の直流電圧となり、ほぼ完璧な5極管動作が実現出来ると言うわけです。
基本的には6L6 CSPP(+P)と同じくP-G帰還を併用した6SN7によるドライバーを2SK79(V-FET)に高耐圧TRの2SC4572をカスケード接続した初段で電流ドライブする超3結Ver.1に倣った回路です。
47 の動作点は赤のラインがA1級動作例の7KΩ負荷線で、青のラインが今回目論んでいるAB1級P−Pの4KΩ負荷線です。
本機のOPTは旧TANGOの CRD-8 を使いましたが、先日(2010/12/5)染谷電子から発売されたばかりのCSPP専用バイファイラ捲きOPTである ASTR-20 を使うことが出来ます。ASTR-20 を使う場合には1次巻線P1-B2, P2-B1間に入っている電解コンデンサ(160μ400V)を省略することが出来ますので、よりマッキントッシュに近づきます。
半導体とのハイブリッド回路はN氏作のEL34 CSPPとほぼ同じです。
初段に真空管を採用しなかったのは直結アンプ故の直流安定度を確保する為であり、 CRD-8 ではカソード側に使う巻線がスプリットになっていない為にDCバランスサーボをかけるのが困難だからですが、ASTR-20 ならばカソード側巻線がスプリットになっていますのでDCバランスサーボも可能です。さて 47 は直熱管ですので、傍熱管を使うときのようなヒーター・カソード間の耐圧を心配する必要はありませんが、2chのプッシュプル・アンプで必要な4本分のフィラメント点火は全て独立でアースからフローティングさせる必要があります。
47 のフィラメント電圧は 45 や 2A3 と同じ2.5Vですので、2.5V巻線が4回路必要なのですが、そんな都合の良いパワートランスはなかなかありません。本機ではパワートランスにノグチの PMC-190 を使っていますが、2.5V巻線は2回路分しかないので別にヒータートランスが必要になります。
今回は手持ちのタンゴ HT-2A3 を使いましたが、高さが高くシャーシー内部に取り付けると底板までの高さを上回ってしまうのでそのままでは底板が付けられなくなってしまいました。ノグチの PM-H1 を使えばシャーシー内部に収まるし、値段もリーズナブルです。現在のISO-タンゴから HT-2A3 は販売されていないようですので、PM-H1 をお奨めします。
入力?ボリュームは全くのダミー(^^;
ご覧↑の通りHT-2A3の頭がはみ出してしまうのでスペーサーを介して底板↓を取り付けている。
シャーシはかの有名なぺるけシャーシにゴールドのハンマートーン塗装をしたものです。
■ 基礎体力 (諸特性) Rev.0 (Non-NFB)
最大出力(ノンクリップ) 7.6W ゲイン 29.4dB 高域カットオフ (-3dB) 70KHz ダンピングファクター 3.9 残留ノイズ 0.5mV その音質は無帰還のままで充分合格なのですが、詳細な検討なしで組んだ回路での測定結果では未だ期待した性能は発揮出来ていません。
Rev. 1 Jan 2011 |
■ 変更について
組み上がってとりあえずは無帰還状態で音質確認したものの、簡易測定の結果では回路に問題ありなのが明白です。オシロでクリップ波形を見ると、もう既にそれ以前から頭打ち傾向があって充分にドライブ出来ていないのが見て取れます。
NFBを施すにしてもその前に先ず裸特性を改善しなければお話になりません(^^;
これはP-G帰還が初段の振幅を制限しているからに他ならず、CRD-8 を採用して1次インピ-ダンス2KΩとした本機ではドライブ電圧が不足してしまうのです。
6L6 CSPP(+P) や EL34 CSPP に於いて1次インピ-ダンスを1.65KΩとした場合ではP-G帰還でもなんとかドライブ出来ていましたが、やはり1次インピーダンスが高くなるとドライブは一層厳しくなります。
■ 回路図 Rev.1
変更点は 6SN7 のP-G帰還を止め、プレートをB電源に繋いでアクティブ負荷抵抗動作に変更します。(ブートストラップも使わない)
当然の如く、これにて裸状態のダンピングファクターが弱冠低下(3.9 → 2.6)し、ゲインが上昇します(29.4 → 34.1dB)が、ゲインはオーバーオールのNFBに回します。
電源回路は180Vタップから200Vタップへと繋ぎ直して、AB級動作には不足だった+B電源を少々高く設定しました。
これにより実効プレート電圧が約265V程度になり、それに連れてスクリーン電圧も共に定格の250Vを少々オーバーしますが、プレート損失は4W程度でしかないので、A1級動作(プレート損失7.5W)よりかなり軽い動作になります。
■ 基礎体力 (諸特性) Rev.1
Rev.0 Rev.1 最大出力(ノンクリップ) 7.6W 9.5W 最大出力(5%歪み) -
10.2W オープン・ゲイン 29.4dB 34.1dB クローズド・ゲイン -
21.9dB 高域カットオフ (No-NFB) 70KHz 22KHz 高域カットオフ (Over All) -
120KHz ダンピングファクター 3.9 16.7 残留ノイズ 0.5mV 0.5mV Rev.1 の無帰還状態で高域カットオフが Rev.0 よりも低下したのは6SN7によるP-G帰還の効果が無くなった為です。
残留ノイズは 47 をAC点火とした割には低い値で収まり、過去との比較では上出来の部類ですが、やはり100Hzの歪率には影響が出ています。
気のせいか、本機と同様にブートストラップもP-G帰還も併用していないMQ80の歪率カーブに似た傾向があります。
ループNFBは12.2dBと結構な量がかかっていますが、CRD-8 はインピーダンスが高い分 CRD-5 程には高域が延びていません。
200KHzあたりに小さなピークが見えますが、緩やかに減衰しているおかげで位相補償無しでも満足な結果になりました。
■ 雑感
今や 47 も貴重なビンテージ管ですので本機ではプレート電圧を265〜270V程度にとどめましたが、それでも最大出力10Wをマーク出来たのは意外でした。
でも歪率グラフを見れば実力は6〜8Wあたりで、偶々最大出力付近で歪みが足踏みしているだけのようにも思えます。
思い切って320Vくらいかけてやればドカンと出力が取れそうですが、スクリーン電圧は250V付近をキープしなければならないので小細工が必要だし、スペアが簡単に入手出来ない現在の市場状況ではそんな欲張った冒険は出来ませんので大人しく大事に使っていくつもりです。
元祖駄球をCSPPで試すのが今回のテーマなのですが、47 は直熱管であるおかげでその音質は期待を裏切らないアンプとなりました。
マッキントッシュタイプCSPP回路は5極管(またはビーム4極管)の真価を発揮出来うるベスト・ソリューションであると確信します。
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直熱管をCSPPネタにするには他にも冒頭で紹介した 45 や 46 等が面白そうですが、46については仲間のN氏が拙作の46+STCシングルをCSPPにアレンジして製作し、好結果を得ています。
もう少し出力が取れそうな球ならば 6L6 の類似管としてメタル管でありながら直熱管である 1619 あたりが面白そうです。
OPTですが、本機に採用した CRD-8 や CRD-5 は今となっては入手困難ですが、有難いことに今現在染谷電子からCSPP専用バイファイラ捲きOPT ASTR-20 が発売されていますので、これを使わない手はないです。
ASTR-20 は5K(1.25K)と8K(2K)両方の1次インピーダンスを2次側タップで切り換えることが出来ますので、色々な球に応用が可能ですし、高域減衰特性も良いのでさらに良い結果が期待出来ます。(但し、拙作 6C19P CSPP には使えませんのでご注意!)
Rev. 2 April 2011 |
■ 変更その2
製作初期には良くある話ですが、Rev.1 の音質も暫く聞き込むにつれてに弱冠の”もどかしさ”を感じ、拙作の他のCSPPアンプと較べると何処かスッキリしない印象がしてきました。
他のCSPPアンプとは球もOPTの動作インピーダンスも違うし、音質に違いがあったとしても当然なのですが、何がその”もどかしさ”を生んでいるのかその原因を暫く考え込んでいました。
当初はハイブリッド構成とした半導体がいけないのかもと思案しましたが、例えば50Single等では同様の半導体を使っていても”もどかしさ”を感じることはないので半導体諸悪根源説は自己否定せざるを得ません。
悶々としていたそんなある日、どうやらゲインを抑える目的で多めに設定したNF量が災いしている可能性を仲間のN氏より指摘して頂きました。
確かにDFが16.7と他のアンプ達よりも結構高めなのがNFB量の多さと共に Rev.1 の特徴として現れています。
オーバーオールのNFBを減らすとゲインが余り、F特も劣化するので Rev.1 にて一旦は外したP-G帰還を再利用することにしました。
■ 回路図 Rev.2
Rev.1 ではドライブには不利になるP-G帰還を止めてしまいましたが、その帰還量をコントロールすればドライブ能力を保ちながらもゲインを抑えることが出来るはずです。
4本直列に繋いだ抵抗をOPTと並列に接続して1次側に発生する出力電圧を4分割し、6SN7のプレートに電源と共に25%の帰還電圧を供給します。
超3極管接続のように直後の出力管のプレートから戻せば100%P-G帰還であり、プッシュプルの対になる反対側のプレートから取ればブートストラップになるのがお判りかと思いますが、抵抗にて分割した2点から戻せば50%P-G帰還であり、上下逆につなぎ替えれば50%のブートストラップにもすることが可能です。
通常、負荷に抵抗をパラってしまうとその出力が抵抗に喰われてしまい出力が低下するので、抵抗値は最低でも負荷の10倍以上は必要です。
本機の出力段の動作負荷抵抗は2KΩですので最低でも20KΩですが、10KΩの抵抗を4本使って負荷の20倍に相当する40KΩにしました。
理想はOPTにタップですが、抵抗でも大きな問題等無く動作可能なので使わない手はありません。今後UL接続のバリエーションにも応用が期待出来ます。
電源回路の変更はありません。
■ 基礎体力 (諸特性) Rev.2
Rev.0 Rev.1 Rev.2 最大出力(ノンクリップ) 7.6W 9.5W 7.0W 最大出力(5%歪み) -
10.2W 8.2W オープン・ゲイン 29.4dB 34.1dB 31.1dB クローズド・ゲイン -
21.9dB 21.1dB ループNFB -
12.2dB 10.0dB 高域カットオフ (No-NFB) 70KHz 22KHz 36KHz 高域カットオフ (Over All) -
120KHz 130KHz ダンピングファクター 3.9 16.7 10.0 残留ノイズ 0.5mV 0.5mV 0.15mV Rev.1 の数値と見較べると出力では弱冠劣りますが、10W出力時の歪率が7.5%になってしまった為であり、実質最大出力はほぼ同じ。
Rev.0では100%P-G帰還回路でしたが、Rev.1では0%、今回のRev.2では負荷から抵抗で分割することにより50%のP-G帰還を実現。
これにより、オープンゲインが3dB下がり、それに伴いSP出力からのループNFBも12.2dBから10dBに下がり、ダンピングファクターが少し低下しましたが、高域カットオフは Rev.1 よりも改善しています。
もちろんSP出力からのループNFBを抑えるだけでも改善は見込めたのかも知れないけれど、F特が弱冠劣るであろう事は想像に難くありません。
残留ノイズは エージングが進んだ為なのか?P-G帰還のおかげなのか?真偽の程は定かではありませんが、今回は両ch共に150μVあたりまで調整することが出来ました。これがAC点火だとはにわかに思えない程の低ノイズに我ながら驚き!
絶対値はさほど低くはないが健全な?歪率カーブになった。
■ 雑感
これまでの拙作においてCSPPはOPT2次側から初段へのNFBとの相性が良い、または音の鮮度劣化が殆ど無いと思い込んでいた節がありました。
しかし、Rev.1 での12.2dBのループ負帰還は本機にはちょっと多過ぎたようです。やはり多量のループNFBは音の鮮度劣化を招きます。Rev.2 ではP-G帰還を50%利用することで裸ゲインを抑えたことによりループNFB量も下がりましたが、P-G帰還量は3dBになるので全体の帰還量はRev.1よりも多いという結果です。
以下にそれぞれの裸ゲインとNFB量、トータルゲインの関係を表します。
Rev.0 Rev.1 Rev.2 ※例(予測値) ※例2(予測値) P-G帰還のみ P-G帰還無し 50%P-G帰還 ブートストラップ 50%ブートストラップ オープン・ゲイン 29.4dB 34.1dB 31.1dB ※39.3dB ※36.3dB クローズド・ゲイン −
21.9dB 21.1dB −
−
P-G帰還 4.7dB 0.0dB 3.0dB −
−
KNF ※5.2dB ※5.2dB ※5.2dB 0.0dB ※3.0dB ループNFB 0.0dB
12.2dB 10.0dB −
−
Rev.1 のオープン・ゲイン状態が見た目に無帰還ですが、CSPPではこの状態で既にKNFがかかっているので全くの無帰還ではありません。
ブートストラップをかけてKNFをキャンセルした状態が無帰還となるので、参考までに(※残念ながら実測ではありませんが)予測値を書き込みました。先にも書きましたが、今回の抵抗分割により実現した50%P-G帰還は上下の接続を入れ替えることにより50%のブートストラップにも応用可能です(例2)。ブートストラップをかけてKNFをキャンセルしてしまうとCSPPらしさが薄らいでこれまた落ち着かない音になりがちですのでブートストラップも加減出来ればドライブ電圧・ゲイン・F特等のバランスを取る為にメリットが生きる場合がありそうです。
今回はB+とプレート間の中点の50%にしましたが、抵抗値の配分で任意のパーセンテージを選ぶことが出来ます。この抵抗分割を応用することにより帰還量やゲインをコントロールすること以外にも出力管のSGに応用すれば理想的なUL動作が見つかるやも知れません??(^^;
重ねて書きますが、負荷に並列に接続すると当然出力段の負荷抵抗になり、出力を喰ってしまうので最低でも1次(P−P間=K−K間)インピーダンスの10倍以上の抵抗値にすべきです。本機では1次インピーダンス2KΩに対して抵抗40KΩ(10KΩ x 4)とし、負荷の20倍としてあります。もちろん前段に供給する電流を考慮しながら決めていますので抵抗値は大きすぎてもダメです。理想を言えばOPTからタップが取り出せれば良いのですが、そこまでしなくてもそれなりの効果が得られるのが今回の抵抗分割による帰還量のコントロールです。
さて、本機の音ですが、その音質は”もどかしさ”が払拭され、同じ直熱管CSPPである 300B CSPP にかなり近付きました。
当然ながら自分の作品に対する希望的・自己満足的なバイアスがかかりますので、鵜呑みになされないよう...(^^;
Last update 3-May-2011