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ユニバーサル電源

CSPP-OTLでは出力段にフローティング電源が必要です。

しかも左右のチャンネルで共有する事が出来ないので、110VAトロイダル・トランスを4個用意して、それぞれがブリッジ整流の32Vにバイアスと定電流用に倍電圧で+側32Vと−側32Vを用意しました。そのため両側の倍電圧は同じ条件とし、リップルを低減するため電解コンデンサは全て10000μF/63V にしています。

電源側でグランドポイントを固定しないことによりコンプリ返しのCSPPにも対応出来るし、アンプユニット内部の結線で電源は自由に選べるので±2電源のSEPP回路にも使えます。

アンプユニットへの電源供給はリレー用の11Pソケットで、アンプユニット側には11Pプラグを取り付け真空管のように自立する格好です。
当初は真空管用USソケット(8pin)を使っていて入出力もユニット側にありましたが、ユニットの差し替えにいちいち入出力を繋ぎ換えるのが面倒なので、入出力を電源側に移し、ソケット・プラグ共に11Pに変更しました。
USソケット・USプラグ共にQQQ製でしたが、11Pのソケット・プラグも同じくQQQ製のものを使っています。(秋葉原のラジオデパート内鈴蘭堂で入手)

電源に要する配線が片チャンネルあたり8本となる為、入出力端子は3本でまかないます。
このソケット機構がこのアンプの最大の特徴でメリットであり、同時に接点が増えるデメリットになっています。
中国で金メッキピン仕様でも作ってくれたら良いのですがねぇ...。


回路(片チャンネル)

回路図中の pin 番号は11Pソケットの pin 番号に対応。

ユニットによってグランドのポイントが変わるため主電源の<V1,V2>に対して側倍電圧を<V1p、V2p>側倍電圧を<V1n、V2n>とした。

直流電圧はそれぞれ32V。 ツインモノ構成ですのでもう一方のチャンネル用に同様の電源回路があります。

もしも(特に調整中)メインの<V1、V2>の負荷電流が少なく、倍電圧の<p>若しくは<n>側の負荷電流が大きい場合に倍電圧分がメイン側にチャージされて電圧バランスが狂ってしまうので本機ではブリーダー抵抗を付けています。 全て独立巻線ならば問題は出ませんが、現実的には倍電圧を利用した方が合理的かつ経済的ですのでこのようにしています。

本来なら12Pのソケット・プラグが欲しいのですが、適当なものが見つからないのでやむなく11Pで妥協。スピーカーの出力端子と入力の接地側が同じ6番ピンを通過するため入出力の配線はこの6番ピンを1点アースとして配線しなければなりません。安易に配線を共有して冗長になると共通インピーダンスが生じ、スピーカーへの電流でグランド電位がふらついてオフセットが出たり、正帰還にもなり得ます。

左右チャンネルで電源を共有していないので、電源の配線が少々長くてもとりあえず問題になることはありません。もし、問題が出た場合はユニット側にローカルなデカップリング(コンデンサ)を設ければ対策出来ると思います。

冒頭でも書いたように本機では110VAトロイダルトランスを4個搭載していますが、本家で採用されている160VAのトランスを使うのでしたらこちらは2次巻線が2つあるので2個で済みます。


番外編 以前のUSソケットの時には真空管を挿すことも出来た。 でもタダの飾りにしかならない。 

 

この状態で下手に電源を入れると球の種類によってはヒーターを焼き切る可能性あり。


Last update 22-Dec-2003